2012年4月14日土曜日

平河町ミュージックス第14回 萩 京子  オペラとソングの日々・・・こんにゃく座のうたたち を聴いた

公演を迎える二週間前から、
萩京子とこんにゃく座の歌い手たちは、
この場所で、周到な準備をしていた。
公演当日の午後からの通し稽古を終えて、
開演とともに、華やかな衣装を身にまとい、
130余名の観客の待つ空間に現れた。











古今東西の詩人のことばに
萩京子と林光が作曲した
ソング集のはじまり。






オペラシアターこんにゃく座の
座付作曲家・ピアニスト萩京子が、
自身の作品を電子ピアノで奏で、
それに、
こんにゃく座の歌い手、大石哲史、梅村博美、
相原智枝、岡原真弓が、歌声と所作を重ねていく。



ソングは、
萩京子と林光に美しい音を与えられ、
歌い手たちの声にのって、
観客の心に沁み入ってくる。





ソングは、また、
なめらかな旋律をともないながら、
にほんご のふかい意味と味わいをもって、
観客に迫ってくる。





歌い手たちは、
空間の隅々まで、くまなく活かして歌い、
響きに奥行きを与えた。






萩京子と歌い手たちが身に付けた華やかな衣装について
語りが入った。
「宮城県石巻市の創業140年余の呉服店から
津波に遭ったキモノを譲り受け、泥を洗い、仕立て直して
演奏者などにリースされているドレスであると・・・。」
観客は、被災地の風景を一瞬思い浮かべ、
華やかに生まれ変わった衣装を目前にして、
深いため息を漏らした。

24曲を歌い終わり、
さらに2曲のアンコールで歌いおさめた。

心地よい余韻が残った。






萩京子は「ソング」を
オペラのようにひたすら芸術性に走るのではなく、
歌謡曲のように大衆に媚びるものでもなく、
それでいて、ひとの記憶に深くとどまり、
容易に口ずさむことができる。
芸術性と大衆性を兼ね備えた
にほんご の「うた」だと語っている。


たくさんの「ソング」を
たくさんのひとが聴いた。

心に残るものがたくさんあった。

美しい旋律、うたたち・・・
そして、こんにゃく座の「ひとたち」も。


平河町ミュージックス実行委員会ワーキンググループ   木村佐近

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