2012年9月23日日曜日

平河町ミュージックス第16回 山田百子 古部賢一  ふたつの木のひびき vol.2 を聴いた

公演前夜の
山田百子と古部賢一。
多忙なふたりにとって、
これが公演前の通し稽古。
おたがいの音を
確かめ合い、直していく。




開演
テレマン:
ふたつの楽器のためのカノン6つのソナタ
作品5より第3番 二長調

空間が、
いっきに心地よい旋律に満たされる。




クライスラー:
レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース作品6

ひとつのヴァイオリンが、
色とりどりのひびきを弾き出す。





マンロー・リーフの『花の好きな牛』を
朗読とヴァイオリンのために仕立てた作品、
リド:
フェルディナンド~はなのすきなうし
目を閉じると、
しあわせな牛のものがたりが、

映画の場面のように浮かんでくる。



休憩のあと、
古部がオーボエについて語り始めた。
いつものように軽妙なことばを操り、
聴衆をひきつける。





ジェイコブ:
7つのバガテル

そのオーボエが白い空間を大きく鳴らす。





山田がヴァイオリンの奏法について
語った。
サントリーホールのアカデミーで
後進の指導にもあたるその語り口は流石。





べリオ:

34のデュオより

ふたりがえらんだ趣の異なる11の小品が
次々と美しいひびきに変えられていく。





このふたりのまわりには、
いつもおだやかな空気がながれる。

一方で、
前日の稽古からアンコールまでをとおして
それぞれが馴れあうことのない
音楽への厳しいこだわりが、
節々で垣間見えた。

寄り添う一対の木のように成長を続ける 
素敵な ふたつの木のひびき だと思った。





平河町ミュージックス実行委員会ワーキンググループ   木村佐近