公演当日の夕刻、
山形から、髙橋和貴(ヴァイオリン)、舘野ヤンネ(ヴァイオリン)、成田寛(ヴィオラ)、小川和久(チェロ)の4人が、北欧家具と、山王祭を控えた平河町神輿 が鎮座する会場に現れた。
開演前には、山形交響楽団西濱専務理事と平河町ミュージックス佐野実行委員長による、曲目紹介と山響東京公演の話題で盛り上がる。
そして開演
いきなりモーツァルトの心地よい響きに包まれる。
なぜか ほとんどの聴衆が目を閉じて それぞれのモーツァルトの世界に浸った。
「劇場では目を閉じる観客はいないが、心地よい音楽会では目を閉じて聴くひとが多いのに驚いた・・・」と初めてこの音楽会を訪れた大学の劇場研究者が終演後に語ってくれた。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番
ト長調 「ローディ」
一呼吸おいて
色濃い旋律が折り重なるように繰り返され、奥深い東欧のイメージに満たされた。
アラム・ハチャトゥリアン:弦楽四重奏のための二重フーガ
ヴァイオリン奏者の舘野ヤンネがフィンランドに帰省して、この演奏会のために持ち帰ってきたという楽譜。
その楽譜から立ち昇る聴きなれない旋律が、揺らぎと穏やかさの入り交じる北欧の空気感となって聴衆を翻弄する。
アウリス・サッリネン :弦楽四重奏曲第3番 「ペルトニエミ・ヒントリークの葬送行進曲の諸相」
休憩 のあと
聴きなれたドヴォルザーク。
四つの弦が織り成す美しい熟練の響きがのびやかに空間にひろがる。
アントニン・ドヴォルザーク :弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 「アメリカ」
大きな拍手がなりやまなかった。
終演後の余韻の中で、聴衆は四種類の山形ワインを楽しんだ。
山響の凄腕4人の四つの音とハーモニーを反芻するように。
山響の凄腕4人の四つの音とハーモニーを反芻するように。
山形交響楽団は地元山形でスクールコンサートなどを通じて、地域に根ざす活動を続けている。
その活動のありようと、山形の大地の薫りを感じる清冽なこの響きは 間違いなく山形の人々の誇りであり、心の拠りどころになり、そこに永く生き続けるに違いない・・・と思った。
その活動のありようと、山形の大地の薫りを感じる清冽なこの響きは 間違いなく山形の人々の誇りであり、心の拠りどころになり、そこに永く生き続けるに違いない・・・と思った。
平河町ミュージックス実行委員会ワーキンググループ 木村佐近
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