西江辰郎がヴァイオリンを、
上森祥平がチェロを携えて、会場に現れた。
開場直前まで、
お互いの音色を丹念に確かめ合っていた。
開演
バッハの旋律が空間を一気に支配する。
書ける音をすべて書き込んだと言われるバッハを
全曲演奏することがある上森は、
その音楽には多様性の豊かさと、
その中から立ち昇る「理」の力が見えると語っている。
ヨハン・セバスティアン・バッハ/2声のインヴェンションより
バッハに対して、
モーツァルトはシンプルな音だけで、
あらゆる事象や心理を表現し、
それらすべてが無垢な輝きを放つと言う。
穏やかに流れるようなモーツァルトの音色に
聴衆の体がかすかに揺れる。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/
ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 変ロ長調K.424
(ヴァイオリンとチェロ版)
2台の絃のあいだを響きが勢いよく駆け巡るようだ。
数少ないヴァイオリンとチェロのための楽曲の中から、
西江が、ある大学図書館でようやく見つけた楽譜が、
聴衆の目前で、緊迫感にみちた響きに変えられていく。
アレクサンドル・チェレプニン/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲OP.49
休憩のあと、
ドラマチックな響きが白い空間を満たす。
日本と同じ五音音階を含むハンガリー音楽や、
日本の民謡の影響が根底にあると言われる旋律は、
聴衆の耳に迫力と親しみをともない迫ってくる。
ゾルターン・コダーイ/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲OP.7
大きな拍手が鳴り止まない。
数少ないヴァイオリンとチェロのための楽曲の中から、
西江が、ある大学図書館でようやく見つけた楽譜が、
聴衆の目前で、緊迫感にみちた響きに変えられていく。
アレクサンドル・チェレプニン/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲OP.49
休憩のあと、
ドラマチックな響きが白い空間を満たす。
日本と同じ五音音階を含むハンガリー音楽や、
日本の民謡の影響が根底にあると言われる旋律は、
聴衆の耳に迫力と親しみをともない迫ってくる。
ゾルターン・コダーイ/ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲OP.7
大きな拍手が鳴り止まない。
美しい。
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